北海道

第1章 計画策定の意義

第2節 新たな北海道総合開発計画の意義

 北海道開発の基本的な意義は、北海道の資源・特性を活かして、国の課題の解決に貢献するところにある。
 現在、東アジア地域の急速な経済成長、地球環境問題の深刻化とエネルギー資源の逼迫に対して、本格的な人口減少・少子高齢化を迎える我が国経済社会がどのように対処していくのかが問われている。
 こうした時代の潮流の大転換期にあって、北海道は、我が国の経済社会づくりを先導する役割を担っていかなければならない。
 北海道は、様々な経済社会活動を可能とするゆとりある空間と、21世紀に最も重要な要素となる自然環境も十分に保持している。こうした特徴的な資源・特性を活かして、我が国の持続可能な経済社会づくりに貢献することが重要となっている。
 
 北海道では、明治以降の開発の歴史の中で、新しい課題に進んで挑戦するフロンティア精神が培われてきた。
 我が国経済社会が大きな転換期を迎え、国民の間に将来への不安や閉塞感が増している今こそ、北海道は、新たな時代の先駆者としてフロンティア精神を発揮し、豊かな経済社会づくりのための先駆的・実験的な取組に挑戦していく。ここに、北海道開発の新たな意義がある。
 
 このような北海道開発を推進するためには、国、地方公共団体、住民、NPO、企業等の各主体の連携により施策の総合性を発揮するための戦略的取組を描くことが必要である。国から地方へ、官から民への流れの中で、各主体はそれぞれの役割分担と責任を自覚しつつ、北海道の地域特性を踏まえた将来の豊かな社会づくりのためにビジョンを共有し、同じ方向性の下に各自の取組を進めていくことが重要である。北海道洞爺湖サミットが開催され我が国が地球環境問題等に関して国際社会でリーダーシップを発揮しようとする今、北海道における持続可能な開発をいかにして進め、我が国の課題の解決にいかに貢献するかについてのビジョンとして、この計画を策定する。

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